企業の垣根を越えて取り組む、実行委員会の想い

使わなくなったモノを売る、譲る、回収に出すといった行動を暮らしの中で選んでいる生活者は、まだ一部にとどまっています。
「もっと多くの人に、リユースを前向きな選択肢として捉えてほしい」。
そんな2026年「8月8日リユースの日」の取り組みについてご紹介する活動レポートも、今回で第3弾。
今回は、なぜ取り組みを企画したのか、なぜ業界横断で賛同企業各社とともに取り組むのか、イベントの対象を小学生とその保護者にした理由、そして体験を通じて届けたかった価値について、2026年「8月8日リユースの日」の企画・運営リーダーがお届けします。
話をうかがった実行委員長・実行委員の言葉から見えてくるのは、生活者一人ひとりがリユースを「自分にもできること」として選べる暮らしへの想いです。
▽2026年「8月8日リユースの日」の取り組みについて以下でも詳しくご紹介しています。
第2弾:BOOKOFFの店舗やオンラインサービスを通じた身近なリユースに気づく取り組みはこちら
【目次】
・もっと多くの人にリユースという選択を。2026年「8月8日リユースの日」の取り組みに込めた想い
もっと多くの人にリユースという選択を。2026年「8月8日リユースの日」の取り組みに込めた想い
リユースショップやフリマアプリの広がりにより、生活者が不要品を売ったりリユース品を買ったりできる場所は年々増えてきました。国内のリユース市場規模は2025年に約3.4兆円に達し、2030年には4兆円に達すると見込まれています(※1)。一方で、過去1年間にリユースを経験した生活者は30%程度にとどまるのが現状です(※2)。リユースできる場所や手段は増えていても、過去1年間で実際にリユースを選んでいる人は増えておらず、リユースが暮らしの中の習慣として十分に広がっているとはいえない状況です。
2026年「8月8日リユースの日」の取り組みを通じて実行委員会が目指したのは、生活者がリユースを「楽しい」「面白い」「自分にもできそう」と前向きに捉え、使わなくなったモノが出たときに、捨てる以外の方法を自然に考えられるようになることでした。環境に良いからという理由だけでは、自分ごとにならず、暮らしの習慣にはなりにくいと思います。家庭のモノを見直し、売る、譲る、回収に出すなど、自分に合った方法で次に必要な人へつなぐ。そうした選択が繰り返されることで、リユースが当たり前になっていくことを目指しています。
その想いについて、実行委員長は次のように語ります。
実行委員長 堀内 康隆(ブックオフグループホールディングス株式会社 代表取締役社長)
「2026年「8月8日リユースの日」の取り組みで最も実現したかったのは、生活者にリユース業を展開する各社の取り組みを知っていただき、リユースという行動と、それを担う業界を前向きに捉えてもらうことでした。モノを売る、中古品を買うといった経済的な理由に限らず、「面白い」「楽しい」という気持ちからリユースを利用する機会をつくりたいと考えています。」
こうした想いをもとに、2026年は小学生とその保護者を対象としたリユース体験イベントと、各社のサービスやSNSでの発信の2つを軸に、54社・団体が業界横断で一体となって取り組みを進めました。
生活者との接点を、業界全体で広げるために
生活者がリユースに触れる場所は一つではありません。普段利用する店舗やサービス、目にするSNS、地域や学校など、暮らしの中のさまざまな場面にリユースと出会うきっかけがあります。そこで2026年「8月8日リユースの日」の取り組みでは、異なる事業を展開し、さまざまな生活者との接点を持つ企業・団体が同じ目的のもとに集まり、それぞれの方法でリユースを伝えることを大切にしました。
ブックオフだけではなく業界横断で取り組む意義について、実行委員長の堀内社長は以下のように話します。
──なぜ一社ではなく、業界横断で取り組むのですか。
「単独企業のイベントや取り組みは、その企業のイメージアップにとどまりがちです。企業の垣根を越えることで、リユースを特定の企業のサービスではなく、業界全体の取り組みとして生活者に届けられると考えました。」
── 業界横断で取り組むことで、生活者にどのような変化を期待していますか。
「省庁の後援や業界各社の賛同を得ながら、各社がそれぞれの店舗やサービス、情報発信などを通じて取り組みを届けることで、より多くの方の目に触れるようになるはずです。生活者の皆さまにリユース業界全体を前向きに捉えていただき、リユースを利用する動機につなげていきたいと考えています。」
──その中で、ブックオフはどのような役割を担っているのですか。
「ブックオフが展開する「BOOKOFF」は国内に約700店舗あり、生活者の皆さまにも身近なブランドの一つだと考えています。その強みを生かし、業界各社とともにリユースがより浸透する社会をつくっていきたいと考えています。」
生活者がリユースに出会う入口は、一人ひとり異なるはずです。賛同企業・団体がそれぞれの接点から同じメッセージを届けることで、生活者が自分に合った方法を見つけ、暮らしの中で無理なくリユースを選ぶ場面が広がると考えています。
子どもの学びから、家庭での会話とモノの見直しへ


業界横断の取り組みの中心となったのが、リユース体験イベント「8月8日リユースの日~笑顔をつないで、未来のチカラに。~」です。小学生とその保護者を対象に、2026年8月7日・8日の2日間、秋葉原で開催しました。
リユース体験イベントの対象を小学生とその保護者にした背景には、実行委員会の2つの想いがありました。
1つ目は、これからの循環型社会を担う子どもたちに学校での学びを暮らしの中で生かしてほしいと考えたことです。特に小学5・6年生は総合的な学習や家庭科の授業で持続可能な社会を扱い、リユースや3Rについて学んでいます。その知識を実際にリユースに触れる体験と結び付けることで、日常の行動へ移しやすくなると考えました。
2つ目は、子どもの気づきが家族の行動を変えるきっかけになると考えたからです。小学生が会場で感じたことを家庭で話し、保護者と一緒に自宅のモノを見直すことで、家族でリユースを選ぶ場面が増えていくと考えています。子ども世代と親世代がともにリユースを選ぶ暮らしを重ねていくことが、10年後、20年後の社会の変化につながるという長期的な視点も、対象者を決めた理由の一つです。
家庭で生まれた会話やモノを見直す習慣が、家族を超えて周りの人へと広がっていく。対象を小学生とその保護者にした背景には、そうした広がりへの期待もありました。
子どもたちが楽しみながら学べる体験にするために


リユース体験イベントには、子どもたちにリユースを難しい環境用語としてではなく、身近で楽しい選択肢として感じてほしいという想いを込めました。会場では10社のリユース企業がブースを設け、子どもたちが各社の仕事を実際に手を動かしながら体験できる内容に。パネル展示は、ブースでの体験をさらに深く理解するための場として設けました。企業やサービスについて理解するだけで終わらせず、「自分の家でもできそう」「自分のいらないモノでも必要とする人がいるかもしれない」と考えてもらうことを目指しました。
会場には不要品回収ボックス「R-LOOP(アールループ)」を設置し、小学生たちは家から持ってきたモノを入れることで、リユースを通してモノが循環する仕組みを実感しました。また、配布したパンフレットは、会場で感じたことや学んだことが家に帰ってからも話題の種になるよう工夫しています。
イベントの企画・運営を担った株式会社ValuesFusionも、「子どもと社会の出会いを創る。」というミッションのもと、同じ想いで企画に取り組んできました。子どもたちが企業や社会と出会い、学ぶ場をつくってきた同社の知見は、リユースを楽しく学べる体験を形にするうえで欠かせないものでした。
イベント企画・運営 株式会社ValuesFusion担当者
「リユースの身近さと楽しさを会場での体験を通じて感じていただき、それがイベント終了後もご家庭での会話や実践につながることを意識しました。その日の思い出で終わらせず、「これ、お家でもできそう!」と子どもたちが自ら家の中を見直し、ご家族と一緒にリユースに取り組むきっかけとなる体験を目指して、全体を設計しました。」
ブースで体験し、R-LOOPで実際にモノを手放し、パンフレットで家族と振り返る。会場での一連の体験を通じて、小学生たちはリユースを「学ぶ」だけでなく、「自分で試す」ところまでを一度にたどることができます。自分の手でモノを手放した経験は、使わなくなったモノが出てきたとき、リユースを思い出す手がかりになるはずです。こうした一つひとつの経験が、リユースを繰り返し選ぶ習慣の第一歩になります。
リユース体験イベントが、生活者と賛同企業に残したもの
来場者アンケートや感想シート、賛同企業から寄せられた声からは、会場での体験が参加者の理解や、賛同企業の新たな気づきにつながったことが見えてきました。
体験を通じて、リユースへの理解を深めた小学生たち


当日、小学生たちはブースで手を動かしながら、使わなくなったモノが次に使う人の元へ届くまでの流れを学びました。会場で配布した感想シートには、学んだことや楽しかった体験が、子どもたち自身の言葉でつづられています。
その様子について、株式会社ValuesFusion担当者は次のように振り返ります。
イベント企画・運営 株式会社ValuesFusion担当者
「感想シートにびっしりと、ブースで学んだことや楽しかった思い出を書いてくれた子どもたちの姿が非常に印象的でした。限られたイベント時間の中でも、子どもたち一人ひとりがリユースの価値を自分の言葉で表現できるほど深く吸収してくれた様子を見て、本イベントの目的を達成できたと実感しています。」
イベント来場者アンケート(※3)では、「リユースへの理解が深まった」との回答が100%、「生活の中でリユースをしてみたい」との回答も98.1%にのぼりました。会場での体験が、参加した親子にとって日常でできるリユースを考える機会になったことが分かります。

賛同企業が感じた、生活者とつながる手応え
賛同企業からも、取り組みの意義を感じたという声が寄せられています。ブース出展企業からは、普段は接点の少ない小学生とその家族に自社とリユースの取り組みを理解してもらえた、生活者から率直な意見を聞けた、といった感想が届きました。参加した社員がリユースの社会的意義やお客様の反応を現場で体感できたという企業もあり、生活者と向き合う場としての価値も見えてきました。
イベントの外にも広がった、リユースに触れる機会
イベント会場での体験に加え、賛同企業・団体はそれぞれの店舗やサービス、SNS、記事連載などを通じて、暮らしの中でリユースを思い出すきっかけを広げました。洋服や本にとどまらず、トレーディングカードやパソコンなどのリユース、地域での譲り合い、シェアリングなど、生活者が自分に合った方法を知る機会にもなっています。
賛同企業各社の取り組みの詳細は、第4弾でご紹介しています。
リユースを選ぶ人を、さらに増やしていくために
2026年の「8月8日リユースの日」の取り組みには54社・団体が参画し、イベントでの体験や各社の発信を通じて、多くの生活者にリユースへの理解を深め日常の行動につながる機会を届けることができました。今後は、より多くの子どもと保護者が体験に参加できるようにするとともに、さまざまな企業・団体と連携し、身近な店舗やサービス、SNSなどを通じ、生活者が日常の中でリユースを思い出せる場面を増やしていきたいと考えています。
実行委員長 堀内 康隆(ブックオフグループホールディングス株式会社 代表取締役社長)
「8月8日リユースの日をきっかけにリユース行動の浸透を進め、生活者が毎年、使わなくなったモノを自然に譲ったり、売ったりできるようにしていく。モノを大切に使い、循環させる生活を定着させることが目標です。」
イベント企画・運営 竹内 慶太さま (株式会社ValuesFusion 代表取締役社長)
「2回目の開催となった今回は、賛同企業様の輪を着実に広げることができ、手応えを得ました。次回に向けては、広がりつつある企業側の熱量を、より多くのお子さまと保護者の方へ届けていくことが鍵になると考えています。賛同各社様と連携した発信やイベント自体の魅力発信を強化し、リユースの輪を社会全体へ一層広げていきたいです。」
一人ひとりの選択を、社会全体の変化へ
2026年「8月8日リユースの日」の取り組みに込めたのは、生活者一人ひとりにリユースを特別なことではなく、暮らしの中の自然な選択肢として捉えてほしいという想いです。会場での体験や、賛同企業のサービス・発信に触れた生活者が、使わなくなったモノを見直し、自分に合った方法でリユースを選ぶ。そうした一人ひとりの選択を社会全体へ広げるには、生活者が日常のさまざまな場面でリユースに出会える環境が欠かせません。
実行委員会はこれからも、業界や業種の垣根を越えた賛同企業・団体とともに、より多くの生活者がリユースを身近な選択肢として捉え、自分に合った方法で実践できる機会をつくってまいります。
参考
※1 リユース経済新聞「リユース業界の市場規模推計2026」(2026年9月27日)
※2 環境省「令和6年度リユース市場規模調査報告書」 https://www.env.go.jp/content/000327691.pdf(2025年6月)
※3 「8月8日リユースの日~笑顔をつないで、未来のチカラに。~」来場者アンケート(調査期間:2026年8月7日~8日、調査対象:イベント来場者の小学生とその保護者107名)



